翌日のもろもろ。

土曜日、主人は通常通り(というのか)出勤。
父は片付け、母と私は買出しチームとして近所へ出発。
 

懐中電灯やガスボンベやポリタンク、携行缶、携帯用充電器など、
父やだんなさんからのリクエスト品は品切れで買えず。みんな早朝から並んでいたのかな。
母はスーパー、私はドラッグストアに並ぶ。
ドラッグストアは店内に入れる状態ではなく、店頭販売、かつレジが使えないので電卓で手打ち。
なかなか順番が回らず、2時間待ちで買えたのは、
カップめんX2個とカイロと水、チョコレートとスナック菓子、スープ春雨×2個。
スーパーに並んだ母の方が、スムーズに色々買い物できていた。
どちらもお昼には閉店、近くのホームセンターも早々に閉店していた。
お天気がよいのが不幸中の幸いで、待ち時間も苦じゃなかったけど、
こんな状況、いつまで続くんだろうかと不安になる。

ワンセグで時々ニュースチェックをしたのが祟ったのか、携帯の充電が残りわずかに。
ラジオについた手回し充電では限界がある。
ふと思い出して未処分だった携帯用の電池を出したけど、そんなには持たず。
これからは、いつもフル充電にしておくこと、非常時はむやみにワンセグに接続しないようにしよう。

午後、どうしても馬の様子が気になったので、
クラブ近くにある災害時も給油可能なスタンドにも寄れるから、と外出。
幸い、私の所属するところの馬たちは全頭無事。
同じクラブの海そばの事業所は津波被害のひどい場所だったとニュースで知るも、
まだ生々しい話を聞く勇気はなく、スタッフにその件を確認することはできず。
無事だった馬たちの姿を見てホッとした反面、何か状況が変わるような気がして、
端っこの厩舎から一頭一頭、全部の馬の顔を見て、近づいてきた子は顔を撫でた。
ふだんクラブで会う「お仕事中」の彼らとは違うのんびりした雰囲気。
真昼間、全頭がのんびりと厩舎に収まっている様子も珍しく、
きのう地震があったことを少しの間忘れることができた。
ゆっくり全部見て回って、一番好きな子のところに戻り、何度もなでる。頬と頬をくっつける。
持って行った角砂糖をあげようとしたら、近くにいた馬たちが騒ぎ、
そのどよめきが全体に広がりそうだったので、こっそり少しだけあげて終わりにする。
次にいつ飼料が届くか判らない状況だろうから、きっと最小限しか食べてないんだろう。
早く通常に戻るといいね、次はリンゴとバナナを持ってくるねと言って、
後ろ髪引かれつつ、ガソリンスタンドへ。

1か所目は30分も並ばないうちに、
「今日はもう軽油しかありません」と巡回してきたスタッフに言われる。
場所を変えて並ぶ前に、空いているスーパーを発見し1.5時間ほど会計待ち。
並んでいる間、列の前から新聞の号外がまわってくる。
衝撃的な写真の数々。現実として受け入れがたいものばかり。
後日談だけど、津波の映像や写真など、地震直後に観れる環境になかったのは
精神的に助かった、と思う。
ラジオの落ち着いた声のトーンも、妙な不安を誘発しなかったし、
実際その現場にいた人からすれば甘ったれた意見だろうけど、
直後にあの映像見たら、恐怖で身動きできなくなりそうだもの。
被災地から離れた場所にいた人たちは、そんな映像を繰り返し見ていた訳で、
そりゃあ、連絡取れるまで、ざわざわと落ち着かない気持ちにもなるよね…。

2か所目のガソリンスタンド、2時間半ほど待ったところで急に列が前進。
怪しい…と思ったら、本日終了のお知らせ札。
急なことにスタンド側が対応しきれないのも判るけど、かなりの骨折り感が。
まぁ、次はもう少し早い時間に行けば大丈夫！とその時は思ったのだけど、
その考えが甘かったことに後から気づいて給油難民になり、
この日の行動を、給油最優先にしなかったことを後悔することになる。

給油できずにガックリきて帰宅すると、
「こんな時に何時間も馬のところにいるなんて何事だ」とだんなさんに注意される。
いや、実際クラブには1時間もいなかったし、
あとはスタンド探し、買出し等々で並んでる時間が大半だったと説明。
ふだん、馬うま言って家のことが二番目になってるから、こういうときに文句言われるんだよな…と反省。

夜は残りごはんで雑炊。
ガソリンがもったいないのと、余震もきのうほどではないという理由から、
通常通り自分のふとんで眠る。
ずっとサッシのがたがたいう音が止まらない。こまかい振動音のあとの揺れ。
徐々に収まるはずだと自分に言い聞かせ、こま切れ睡眠。