尾鰭のついた話

出社するだんなさんより一足先に、自転車でパン屋を目指す。
昨日もらった整理券のおかげで、約30分待ちでパンを購入。

 うきうきとした気分で重いパンを抱えて自転車に戻る途中で、
馬友だちとばったり会う。
一回り以上年下だけど、バイトの先輩でもあるので、
馬たちの近況を色々教えてもらい、ちょっと長い立ち話になってしまった。
家族以外としゃべったの、久し振りかも。現実からちょっと離れられて楽しかったな。
またクラブで会おうね、と言って別れる。

いつもなら、ドライフルーツやナッツの入ったかたいパンを買うのだけど、
今回は、家族の好みを考えて食パン1斤だよな、と。
はじめての「パンドミ」とクロワッサン類を3つ。
(大きいパンひとつと小さいパン3つという個数制限が有ったのだ。)
ずっしりと重い食パン。これは食べ応えがあるなぁと思ったら、
やっぱりこれを選んで大正解。
家に帰るなりはじっこをスライスして味見。
何も付けなくてもしっかりと味がする。ほどよい塩気と噛み応え。
今まではイチジクパン最高！と思ってたけど、これからはパンドミも美味しいと宣伝(?)しよう。
ふだんは子どもが好みそうなふわふわパンが好きなだんなさんにも好評。
震災のバタバタが落ち着いたら、また買おう。

しかし風が強すぎて、自転車走行がしんどい。
せっかくの晴れなのに、体感温度も低いし、外干しもできそうにない。
家に着く頃に、別の馬友だちからメールが来ていて、近況報告。
所属クラブ以外の馬の状況なんかも話題に。
今年の相馬野馬追はどうなるんだろう…。
自分の所属クラブ以外の馬ももちろん、一頭でも多く助かってもらいたいよね、と。

嘘の情報とか、ガセメールとかそんなものが横行してるという話。
人間って、不安な状態だとそういうネガ情報ほど耳に入りやすいのかな。
ネット上で「天皇陛下が京都に避難したらしい。
放射能が問題で東京を見捨てたってことですか」というのがあったんだけど、
(もちろん避難したという情報はガセだったようですが)
こういう不確定な話を、しかも自分の不安な気持ちも上乗せして、
感情的になってしゃべりまくった揚句、
「日本の政府はひどい！庶民は見殺しか！」(たしかに政府の対応はお粗末かもしれないが)
などと、他者の同意を引き出そうとするメンタリティがもうね…。
東京の人には失礼な言い方かもしれないけど、
原発により近い位置にいて(しかもそこで作られた電力は自分たちには供給されず。)
余震の不安と向き合いながら不便に耐えて生活している被災地にいる人たちの方が
どんなに不安な生活を送っていることか。政府に対する不満だって比較にならないほど大きい筈。
こういう話に触れると、現代社会は、よくも悪くも情報によりかかっているのだな、と思う。
デマほど高速で広がるしね…ということを感じる日々。
自分自身不安症のネガ気質なので、
この手の不安の引き金になるような情報って本当にありがたくないんだよな。
自己防衛できるだけの知性と精神力が欲しい、と思う。